仕事への想いについて先輩たちが対談しました!
Q.障害者福祉を生涯の仕事とするその醍醐味とは?
B 「色々な環境・経験を持った方々に出会えるから。」
C 「そうそう。個性豊かだから、ちょっとしたことで喜ばれてこちらもうれしくなるね。」
A 「みんなは、なぜ障害者福祉に進んだの?」
D 「深い意味は無かったけど、単純に人と違う仕事がしたかったからですね。専門学校の時に、ほとんどの人が老人ホームに就職したから、自分は障害に行こう(笑)みたいな感じです。あとは、障害といっても幅が広いので、勉強になるしスキルアップも幅広くできるのかなぁって考えていました。」
A 「私は、高齢者施設は看取り介護があるし亡くなる方が多いので、人が死ぬことに慣れたくなかった。 実は看取り介護に直面する自信がなかった。今は高齢者・障害者に関係なくその人らしい「人生の旅立ち方」を一緒に考えることも大切にされていることが分かってきた。」
E 「高齢者施設から転職したのは、特別キッカケがあった訳では無いですが、今はここに来ると元気がもらえます。」
C 「私は人事異動なので、自ら希望した訳では無いですが、こちらの方がかなり長くなったということは、自分の思いと合っていたのかな。」
B 「私もゆたか苑の開所日に入職して、豊明苑かゆたか苑のどちらに配属されるか分からなかったけど、いつのまにか19年目です。ここまで苦労もあったけど、それ以上にやりがいがあったのだと今感じています。」
A 「高齢者の経験は無いのですが、障害者は特に多種多様だと感じる。社会経験に乏しく、限られた人間関係の中で入所された方や、働いていて社会経験が豊富で、結婚して家族がいたり、とにかく施設に入るしかなかったり、本当に様々な背景がある。
日常生活では知ることが出来ないし、身内しか知らないことまで知ることになる。
その人にとって特別なこと、障害に限らずだけど人間ドラマが聞けるからこそ、その人生を一緒に歩ませていただいている大変な仕事だと感じる。」
B 「本当に一本のドラマが出来るくらい。」
D 「人によって、本当に生活も多種多様だよね。」
A 「気ままに過ごされている方々もいるけど、障害を負った事実を受け入れることから始めて、家族から離れて施設で生活する事は、ある意味強いしどこかで覚悟があったと思う。」
B 「出来ることなら家族と一緒に暮らしてわがままも言いたいと思う。」
A 「年相応に時間の経過と共に受け入れられることもあるけれど、中途障害のように突然今までの人生が変わってしまうことは、その人にとって相当な重みがあると思う。その方たちの人生の一部を自分たちが支援するから重みを感じる。」
B 「家族の介護を受けられなくなって、施設での生活を始めた方も環境の変化に戸惑いながら、自分なりの居場所や生活スタイルを探しているのだと思うと、その人の強く前向きな意志(ストレングス)を感じる。自分たちの方が何気なく過ごしてしまっている時間が多く感じることもある。」
C 「エネルギーがすごい。」
B 「意欲があって素晴らしい事でもあると思う。」
C 「そこがある意味やりがいの部分だと思う。方向性と目指すものが分かって、期待できるものを提供出来れば突き進む力を発揮してくれる。」
C 「私たちの支援次第で、可能性を導き、“この人、想像以上に出来る!”と色々発見がある。」
B 「障害を負った人はどこまで出来るか分からないことも多いから、色々試してみるとその分応えてくれるし、自分たちも臨機応変に経験を積んでいる。」
C 「そうだよね、考えて模索するのが楽しみ、色々試してみてどんな結果が出るか分からないけど試す価値はあると思うし、その変化を見ることで次の課題が出ると思う。方向性も見えてくるしね。」
D 「それがやりがいになってくるよね。」
B 「若さも強みだよね。」
A 「社会に出る機会が少なかった方々は、施設という社会の中で新たな可能性を発掘出来たり、こちら側の支援でその人の力が引き出せたりする可能性を秘めているし、実際そういう方を沢山見てきた。」
D 「道具一つで生活が変わる、他施設で福祉用具が充実していると、よし自分たちも!、と思う。」
Q.ゆたか苑の中で僕らが大切にしている事(こだわり)とは?
A 「生活の場で働いている。多種多様な人が生活している。様々な成育歴を背負った方々が生活している。その人たちの中で働いているという意識を持つ。人の尊厳、プライバシーの配慮をしていかなくてはならないと思う。昔は同性介助ではなかった。男性職員が少ないのに男性住人さんの比率が多くても同性介助にこだわっていた。住人さんのQOLやプライバシーを優先している先輩達が上に立って引っ張っていってくれている。」
B 「そのおかげで男性職員も増え同性介助が保たれている。大変な時に頑張ったから同性介助が続けられていると思う。」
A 「新人職員の育成も丁寧に時間を掛けている。」
B 「これだけ色々な住人さんがいるから、一人ひとりの特性を知った上で介助に入ることは大変。でも、水分補給一つにしても、“任せられるスタッフ”を育成する体制や先輩たちの姿勢が、住人さんはもちろん、スタッフの不安解消にもつながっていく。」
A 「住人さんの生活も大切にしているし働く職員(同僚・仲間)の事も大切にしている。もちろん、お互いに楽しくなければやっていけない。」
B 「介助内容に厳しい人たちもいる。でも、時々のお礼がうれしい。障害が原因で自分の思いを言葉で伝えることが出来ない人たちがいる。声が出せなくても口を動かしたり、表情やジェスチャーをしてくれたり、みんな何とか伝えようとしてくれる。“ありがとう”という思いが伝わってくる。」
A 「御家族の方からも“入所してよかった”と思ってもらえると嬉しいし、モチベーションにもなっている。」